RMT-WM
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批評(レビュー)


信長の野望 RMT天道の最大の特徴は、行軍や支配範囲に大きく関係する街道を自由に敷設できることにあります。これから攻め入る城へは街道を敷設し、攻められそうな場所には街道を撤去して砦を建設する、こういう戦い方が天道です。また、街道を敷設することで意外な場所から敵の領土へ進入することも可能になるので、周囲の広い範囲に対して警戒が必要になります。

しかし、例え山を越えて攻め入ったとしても、その行為は周囲に筒抜けで、なんら奇襲になりません。また、建てられる軍事施設も貧弱なものばかりで、せいぜい時間稼ぎ程度の効果しかありません。せっかく自由に街道を敷設できるのなら、奇襲攻撃や街道の要塞化が可能なシステムでなければ、単なる作業になってしまいます。

このように、街道システムには未成熟で物足りない面も感じられますが、次に紹介する領土を奪い合うシステムは素晴らしいです。

今までの信長の野望シリーズや三国志シリーズの多くは、城を奪うことでしか収入や領地を増やせませんでしたが、この天道では、相手の領地をじわじわと奪っていくことも可能です。いくら堅固な城を建てようとも、周囲の領土を全て奪われてしまえば、それ以上の収入や兵力を得ることはできなくなるため、いかに領地を守るかが重要になります。

このシステムにより発生する野戦の必然性が、戦国時代の雰囲気を今まで以上によく表現できた最大の理由だと考えます。天道という名前のせいで街道システムばかりに注目が集まりますが、真に評価されるべきは、この領土を奪い合うシステムを採用したことにあります。街道というのは、この領土を奪う条件の1つに過ぎません。

次に、技術革新や複数の武将で編成する軍勢などは、好評だった信長の野望革新を踏襲しているだけあって、無難な出来上がりになっています。技術開発に特定の資源が必要になるなど、新たなアイデアも盛り込まれていますが、総じて革新withパワーアップキットよりも物足りない印象を受けます。

細かいところでは、イベントも若干強化されました。イベントの1つ1つにボリュームが増したので、ちょっとした物語りのように読み進めることができます。また、伝承イベントと呼ばれるifイベントも発生させることができます。どちらも、歴史好きには嬉しい強化だと思います。

最後に総評ですが、全般的なシステムが革新と似ていることから、おのずと革新との比較になります。どちらも良い作品だと思いますが、戦国時代の再現度という点では天道が勝り、ゲームとしての完成度という点では革新withパワーアップキットが勝ると思います。
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