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「ArcheAge」サービス料金「30日1750円」という選択


4Gamer:

オフラインイベント,おつかれさまでした。今回の発表で,7月23日の正式サービスに向けていよいよ待ったなしといったところですが,これまでを振り返って現在の心境はいかがですか。

ArcheAge日本運営プロデューサー 野田真央氏


野田真央氏(以下,野田氏):

日本版ArcheAgeの展開を振り返ると,まずはファミリーテストでコアな人から高い注目を受け,そのあとのクローズドβテスト(CBT)では反省すべき点があり,そしてオープンサービスで再び大きく盛り上がっているという印象ですね。そういった,嬉しいことや反省すべきことがイベント中に交互に脳裏をよぎりました。

4Gamer:

ジェイクさんがArcheAgeを通じて日本の一般プレイヤーの前に立つのは,今回のイベントが初めてでしたね。実際に参加されてみてどうでしたか?

ジェイク・ソン氏(以下,ジェイク氏):

ステージでの挨拶でも述べましたが,私は幼少期に日本のゲームをたくさん遊んで育ちました。その日本で,私達が開発したゲームを遊んでくれて,しかもオフラインイベントにも来ていただけるというのは,とても感慨深いです。

このような場を設けてくれたゲームオンには感謝しています。また,日本でのサービスをぜひ成功させたいと,あらためて強く感じました。

4Gamer:

今回,来場客がもっとも盛り上がったのは,サービス料金が「30日で1750円」と発表された瞬間でした。ArcheAgeに期待している人にとっては,これまで大分焦らされてきた感がありましたから。

野田氏:

料金に関しては,社内ならびにXLGAMESとの間で長期にわたる議論があり,お客様をお待たせして,心配させることになってしまいました。

4Gamer:

ビジネスモデルの詳細が決まるまでの経緯について,話せる範囲で教えてください。

野田氏:

ArcheAgeの初期コンセプトは,すべてのプレイヤーが公平に楽しめることです。仮に,これに対しバランスに大きく影響するような有料アイテムやガチャなどを導入してしまうと,ArcheAgeのコンセプトが揺らいでしまうだろう,という思いがありました。また,ArcheAgeのクオリティに対しては揺ぎない自信がありましたので,日本において定額サービスのビジネスモデルを採用することは,早い段階で決めていました。

4Gamer:

とはいえ,近年日本へローカライズされてきたような,クオリティが高いと言われる大型MMORPGのサービスを振り返ると,定額サービスにすることに不安はありませんでしたか。

野田氏:

世界的に“Free to Play”の勢いが増す中,いまでは“定額サービス”というだけでも,ハードルの高さを感じさせてしまいます。そのうえ料金が高いと,例えどんなにクオリティが高くても人が集まらず,オンラインゲームの大きな醍醐味であるコミュニティ形成の妨げになってしまいます。

4Gamer:

ArcheAgeは,ある程度遊び込むことで面白さが分かってくるタイプのMMORPGですから。

野田氏:

ええ。なので,最初にプレイする取っ掛かりの部分と,そこからゲームの面白さに辿りつくまでのハードルは,できるだけ低くしなければならないと思いました。そして,諸々の事情も踏まえたうえで,最終的に「クライアントは無料でダウンロード可能」かつ「30日で1750円」に決定した次第です。

4Gamer:

有料アイテムも用意されていますが,現状のラインナップを見るかぎり,購入しなくてもプレイに差し支えないものですよね。その点で,来場客の反応が良かったように思います。

野田氏:

ありがとうございます。

これまで,ArcheAgeに対する期待の高さと同時に,ビジネスモデルの詳細を早く知りたいという要望もひしひしと感じており,今日のステージで発表する瞬間はかなり緊張しました。本当にお待たせしました,という気持ちでいっぱいです。

4Gamer:

そういえば,韓国版のビジネスモデルは,現在は日本のような定額サービスではないんですよね?

XLGAMES CEO ジェイク・ソン氏


ジェイク氏:

はい。アカウントを取得すれば無料でプレイできます。ですが,家の図面が使えなかったり,税金が払えなかったり,労働力が回復しなかったりと制限があります。すべてを楽しもうというなら,プレミアムアカウントへの更新(30日/90日チケットが販売されている)が必要になりますね。

4Gamer:

なるほど。無料プレイ中は,キャラクターは育成できても,家を建てることや,維持することもできないんですね。となると,生産やハウジングを楽しんでいるプレイヤーは,実質的に日本でのサービスとほぼ変わらない内容になりそうですね。

ジェイク氏:

有料アイテムとしては,労働力を回復する「おにぎり」を販売しているという違いはありますね。

4Gamer:

労働力の回復アイテムについては,野田さんが「(正式サービス開始時点では)販売を行わない」と話していましたね。一つのゲームで,国によってビジネスモデルが異なると,XLGAMESのバランス調整が大変だと思うのですが,その点はどうでしょう。

ジェイク氏:

ビジネスモデルを含めて,日本市場についてはパブリッシャであるゲームオンの判断を信じています。ですから,XLGAMESとしては,その判断を全力でサポートしていくだけです。

4Gamer:

日本のプレイヤーとしては,嬉しい回答ですね。

さて,日本版ArcheAgeですが,XLGAMESが海外向けに初めてローカライズするケースとなります。これまでのローカライズ作業は順調だったのでしょうか。

野田氏:

CBTの開始時にバグが生じるなど,いくつかトラブルや反省点はありますが,全体的には満足しています。

XLGAMESのスタッフの技術力が高く,彼等が徹底的に支援してくれたのが大きいですね。とくにCBT以降は,ソウルにあるXLGAMES本社から10~15名のスタッフがずっと来日していて,ほぼフルタイムで作業してくれています。普通のオンラインゲームでは考えられない規模のサポートです。

4Gamer:

そんな人数が来日して作業していたんですか。ちなみに,日本でArcheAgeを展開するにあたって,どのようなことに気をつけましたか。

野田氏:

いろいろとありますが,大きいのはサーバーの設置台数です。

日本におけるArcheAgeの知名度は,最初から「誰もが知っている大作タイトル」というものではありません。しかし,クオリティの高さは言うまでもなく,口コミのような形で着実に広がっていくと確信していました。実際に,ファミリーテストやCBT参加者の参加率や,1度参加してくれた人のリピート率は非常に高いんです。

4Gamer:

一方で,いきなりサーバーを増やしてしまうと,いわゆる過疎サーバーが生まれる可能性が出てきますね。

野田氏:

ええ。ですので,サービス開始直後のサーバー設置台数は極端に多くせずに,状況を見ながら順次増やしていこうと考えています。オープンサービス以降,ログイン数やログイン率も順調に増え続けており,ArcheAgeのポテンシャルはまだまだ底が知れないと感じています。

もちろん,ArcheAgeの知名度を広めるべく,プロモーションにも力を入れています。

4Gamer:

個性的な作品なので,プロモーションも大変そうですね。

野田氏:

ほかのMMORPGにはない,ArcheAgeならではの特徴や魅力があまりにも多すぎて,一言では語れないんですよ。ですので,まずは興味を持ってもらうことを第一に,そのうえで自由度の高さなどArcheAgeらしさを織り交ぜる,というのが基本スタンスです。

4Gamer:

それらの中でも,すでに公開中のテレビCMは面白いですよね(笑)。オチが「あるある」すぎて。

野田氏:

自分で言うのもなんですが,評判は良いです(笑)。キャラクターの一挙一動を丁寧に作り上げたCMなので,繰り返し見ていただけると嬉しいです。

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