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チューニング/ローカライズだけでな


  4Gamer:

   ラグナロク RMT それでは,ドラゴンネストを日本で運営するにあたって,配慮してきた点などを教えてください。

  杉浦氏:

  開発チームは,韓国をはじめ世界各国向けにゲームを開発していますから,すべてのコンテンツが日本に合った内容になるとは限りません。そこで我々は,日本向けにアレンジしたり,あるいは日本独自企画を提案したりといったことをやっています。先行している韓国の動向を見ながら,日本でどうするか決めることもあります。

  


  山縣氏:

  例えば日本では,経験値テーブルを韓国の2倍に設定しています。つまり1レベル上げるために,韓国の倍の経験値を溜める必要があるんです。この変更の理由の一つは,あっという間にレベルキャップに到達してしまい,すぐにコンテンツ不足になってしまった失敗が韓国であったからです。

  とはいえ,それだけでは経験値を蓄積するための労力が増えるだけですから,日本導入時には韓国の導入時よりもクエストの量を2倍に増やしてもいます。

  4Gamer:

  なるほど,ただ必要経験値を増やしただけだと,マゾくはなっても面白くなるわけじゃないですからね。

  山縣氏:

  新コンテンツについては,日本ではだいたい韓国の2か月後に実装されているのですが,韓国で非常に受けの良かったコンテンツで,日本でも受け入れられそうなものについては,実装時期を早めることがあります。

  例えば,2010年に登場した「ダークレア」がそうですね。これは韓国での高評価を受けて,日本でも順番を飛ばしてすぐに実装したコンテンツです。また2011年5月26日に日本で実装された「グールモード」も,韓国で4月末に実装したばかりのものです。

  

ドラゴンネスト


  「ダークレア」(関連記事)

ドラゴンネスト


  「グールモード」(関連記事)

  4Gamer:

  せっかくなので5月26日のアップデートとグールモードについて,少し話を聞かせてください。

  石氏:

  グールモードは,誰でもPvPを楽しめるように企画されたシステムです。オンラインFPSによくある,“ゾンビモード”をイメージしてもらえると分かりやすいんじゃないでしょうか。

  山縣氏:

  グールモードは最大16人参加できて,ゲームがスタートすると,そのうちの一人がグールに変身します。グールは専用スキルなどで人間(ほかのプレイヤー)を攻撃して仲間を増やしていく,人間は逃げながらグールを攻撃するという内容です。なおこのモードでは,グールを除く全プレイヤーの体力やステータス,スキルや攻撃アクションなどが統一化されます。

  石氏:

  今までのPvPでは,スキルの相性が存在していたので,遠距離攻撃できるクラスが有利だったりといったことがあったのですが,グールモードでは全員が同じ能力ですから,もっと気軽に楽しめます。いわゆる鬼ごっこのような雰囲気になります。

  山縣氏:

  このほか,通常のPvPにも新モードが2つ入ります。1つはプレイヤーごとの能力差や装備の差を廃したモードです。唯一,レベルに応じて使用できるスキルが異なるのですが,レベル帯が同じプレイヤー同士なら同等の条件で戦えます。

  RO RMTもう1つはこれまでのPvP同様,プレイヤーが蓄積した資産を総動員して戦うモードですが,ランダムマッチングによって1対1で戦います。結果に応じてランキングも形成されていき,上位者には報酬などのメリットが与えられるようになっています。

  4Gamer:

  日本で優先的に実装されたコンテンツについては分かりましたが,逆に韓国ですでに実装していながら,日本での導入を見合わせているものはありますか?

  杉浦氏:

  大きなものでは「農場システム」ですね。これは韓国だと2010年末に実装しているのですが,不具合が多く未だに直っていない,今ひとつプレイヤーに受け入れられていない,同時に300人しか利用できないといった理由から,現状は日本のシステムには組み込めないという判断をしています。

  


  石氏:

  農場システムは,プレイヤーが協力して作物を育てていくというものです。

  作物は売買したり,料理に使ったりできるのですが,まだシステムが不安定なんですよ。

  4Gamer:

  話を聞くぶんには,面白そうにも思えますが。

  山縣氏:

  実装当初は,生産したアイテムの価値が明確ではないという問題もありました。先ほど杉浦がお話したとおり,日本では過程を大事にするプレイヤーが多いのですが,そこに付加価値を持たせてあげられなければ,長く遊んでもらうことはできません。そういった問題を解決しないうちは,日本での実装は無理でしょうね。

  杉浦氏:

  日本がほかの国と最も違うところは,過程と価値について,きちんと考えなければならないところでしょうね。開発チームとの調整で最も苦労している部分でもあります。

  山縣氏:

  その一方で,日本から提案したアイテムやコンテンツに対して,他国でも導入したいといった要望があったり,日本市場での成果を尋ねられたりすることも多いです。

  杉浦氏:

  僕らは韓国の状況を知りたいんですが,台湾では日本の状況を知りたがっているといったように,各国それぞれが他国のテストケースといった感じになっていますね。

  4Gamer:

  日本では,どういった要望が多いのでしょう?

  杉浦氏:

  やはり“コンテンツ”に関するものです。2010年9月以来,大型アップデートができていないこともあって,コンテンツが足りないという声が多数挙がっています。シードラゴンの実装もありましたが,あれは高難度のコアプレイヤー向けコンテンツですから,すべての人に楽しんでいただけるものではありませんでした。

  山縣氏:

  過程と価値の話でいえば,シードラゴンの討伐はできなくとも,例えば途中の段階まで達成できれば,そこまでの報酬は出るようになっています。そういった部分は今後,ほかのコンテンツでも提供していく予定です。

  5月末に実装した,ログイン後ある程度の時間継続してプレイするだけでも,何かしらアイテムがもらえるというシステムは,そうした試みの一環です。

  4Gamer:

  ちなみに,韓国で先行実装された内容が日本で反映されるまでに2か月かかるとのことでしたが,その間,どのようなことが行われているのでしょう?

  杉浦氏:

  お話ししてきたように,内容がきちんと日本に受け入れられるかどうかのチェックを,まずしなければなりません。当然ですがローカライズも進めなければなりません。

  山縣氏:

  また,スキルやアイテムのバランス調整で,韓国で実施された最新の変更が日本には反映されていないのではないかというご質問をいただくのですが,これもタイムラグがあるからこそ発生する問題です。

  というのは,韓国だと毎週くらいの頻度でどんどんバランス調整を行っているんですね。しかし日本ではアップデートのタイミングに合わせて,韓国で1か月以内にかけた調整のなかから最もバランスが良く安定してるものを精査し,日本向けとして採用しているんですRMT

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