RO 日欧米はプロセス志向,中韓は結果志向
ラグナロク RMTアメリカのゲーマーと,アジアのゲーマーの,さまざまな好みの違い……例えば,アメリカでは「グラフィックス」「クエスト」を重視する人が多いのに対し,アジアでは「キャラクターの多様性」「アイテムのバラエティ」を重視する人が多い,といったことを,ウィ氏は簡潔な言葉で説明した。これは,ウィ氏が以前から指摘していることではあるが,アメリカで行われているGDCの聴衆者達にとっては,ちょっとした衝撃を持って受け止められたようである。そこであらためて,この考え方について説明していこう。
簡単に言えば,アメリカ(含む西洋)は,「プロセス志向」。そして韓国や中国は,「結果志向」だというのだ(ちなみに日本はその中間,ややアメリカ寄りに位置しているという。納得,という人も多いだろう)。
例えばアメリカのゲームには,請け負ってから達成するまでに,1年かかるようなクエストもある。“過程”を楽しむアメリカのゲーマーにとって,一つのクエストにかかる時間が長いのは,それだけ長い間楽しめることを意味しているが,これをもしアジアでやったら,「とても辛抱できない。それに,ほんのわずかでも辛抱するのがイヤなんです」とウィ氏。
RO RMTまた,氏はAOGCでも話題にした「コミュニティの重要性」に触れ,アメリカのゲーマーは,友人を作りたくてコミュニティに所属するが,アジアのゲーマーは,「有利になるから」所属する,と説明する。つまり,アメリカのゲーマーにとって,コミュニティは所属することそのものが一つの目的であり,そこに意味を見いだしているわけだが,アジアのゲーマーにとっては,より強くなるための手段に過ぎないというのだ。
ここで氏は,さらにアジア……とくに中国市場の特異性を示す資料を提示した(下の画像参照)。Auto programとは,文字どおり一連の作業を自動化するためのプログラム。要は,BOTである。氏は,実に52.8%の人が,日常的にそういったプログラムを使っていると指摘した(never useがわずか4.1%という時点で驚きだが)。しかもその次の資料では,実に63.8%が,BOTの使用は問題ないと考えていることが示されている。アメリカと同じくプロセス志向の日本人としては,想像を絶する数値だが,結果志向のゲーマーにとっては,プロセスは重要ではない……むしろBOTを使って楽をしたほうがいい,というところなのだろうかRMT。
氏はこのあと,「SPECIAL FORCE」や「FreeStyle」の例を挙げて,“レベル”というものがアジアのゲーマーに対して強いアプローチになることを話したが,こちらもAOGCでの記事の内容とほぼ同じなので,割愛する。
そして,多くの聴衆者が待ちに待った話題へと移った。