FF14 RMT[CEDEC 2009]大域照明や音声認識など,スクウェア・エニックスの「職人技」を不要にする自動化最前線
CEDEC最終日,FF14 RMTスクウェア・エニックスの研究開発部による「Natural Expression 自然な表現を目指す」と題した講演が行われた。
最初に登壇したのは開発ディレクターの藤井栄治氏。まずは,なぜNatural Expressionが重要なのかについて語った。
Natural Expressionを直訳すると,そのまま「自然な表現」となるのだが,Naturalの意味として「加工されていない」というものを強調していたことから,加工されていない→手を加えなくていいようなデータを自動生成していくことを目指すもののようだ。
FF14 RMTつまり,スクウェア・エニックス社内には,職人級の優秀なアーティストや技術者がいるわけだが,モーションキャプチャで取り込んだアニメーションデータはアニメータが修正していき,クロス(布)シミュレーションでドレスから膝小僧が飛び出していたら,手作業で修正しなければならないだろう。ゲーム作りには先ほどの例でいうとNaturalでない処理が多く,職人の技が必要な処理が多いのだという。だが,職人を増やすのは簡単ではない。
また,CG制作部分でいうと,機器やソフトのコストは下がっているのに人件費が跳ね上がってきているという。これを,高性能化し続けるハードウェアのパワーをうまく利用することで抑えられないかというのが基本命題だ。やや意外なことに,効率化によるコスト削減の試みの一環で最先端技術開発が進められているようだ。
そういった自動化に関してスクウェア・エニックス社内ではいくつかの取り組みが行われているようで,今回はグローバルイルミネーション関係,音声認識関係の2種類について発表があったRMT。