PSO2 RMT福岡におけるゲーム開発の秘密とは。「ゲーム都市ふくおかに見る産学官連携のカタチ」セッションレポート
ファンタシースターオンライン2 RMTGCS2013実行委員会は2013年6月22日,東京都内で「ゲームコミュニティサミット2013」(GCS2013)を開催した。GSC2013 は,ゲーム開発者コミュニティによる合同勉強会イベントで,さまざまなセッションが行われた。本稿では,サイバーコネクトツーの代表取締役社長である松山 洋氏がパネリストとして登壇した「ゲーム都市ふくおかに見る産学官連携のカタチ」というセッションの内容をお伝えしよう。
まずは本セッションの背景について説明する。福岡市はゲーム産業に注力しており,「九州・福岡を世界が目指すゲーム産業都市にする」を合い言葉に,「福岡ゲーム産業振興機構」を,九州を拠点とするゲームメーカーの団体「GFF」,「九州大学」と連携して,発足させた。
福岡ゲーム産業振興機構は,学生やアマチュアが福岡のゲーム関連企業で現場を体験できる「FUKUOKAゲームインターンシップ」などの人材育成や,市場開拓,広報などの取り組みを行っている。
セッションは,福岡市役所 ゲーム・映像係長の中島賢一氏をファシリテーターとし,九州大学大学院芸術工学研究院の松隈浩之氏,サイバーコネクトツー代表の松山 洋氏,同社取締役/制作プロデューサーの西川裕貴氏,同社ディレクターの石橋洋平氏をパネリストとして行われた。
PSO2 RMT最初に松隈氏は,福岡市における産・学・官連携の例の一つとして,自身が代表を務める「シリアスゲームプロジェクト」を解説した。
同プロジェクトは2009年6月より,九州大学芸術工学研究院を中心に福岡市の委託研究事業としてスタートした。シリアスゲームの開発や普及啓発活動を通じ,福岡そして日本のゲーム産業を拡大することを目的に活動しているという。
プロジェクトでは,大学がゲームを開発,GFFがプロの観点からアドバイスをし,行政が資金面などを含めたバックアップを行うという形で連携しているRMT。
活動成果の一つがリハビリ用の起立運動支援ゲームだ。プロジェクトは,リハビリに力を入れる長尾病院と共に「樹立の森 リハビリウム」を開発。2013年3月からはその製品版である「リハビリウム 起立くん」が医療機関向けに発売されている。
ちなみに,GFFによるアドバイスを受けたことでクオリティがアップしたという。これは産・学・官の連携によるメリットの例といえるだろう。