「FF11 RMT」プロデューサーに聞く,FF XIとPlayOnlineの今後の展開
E3の前々日(5月16日)に行われたXbox 360カンファレンスで大々的に発表された,スクウェア・エニックスの参入と,同社のメインコンテンツの一つである「ファイナルファンタジー XI」(以下,FF XI)の同時発売の発表は,業界を大きなウェーブとなって駆け抜けた。
FF11 RMTE3初日となる5月18日に,FF XIのエグゼクティブプロデューサーの田中弘道氏と,グローバルオンラインプロデューサーのSage Sundi氏に話を聞く機会があった。時期的にXbox 360の話題が多くなってしまったが,同作の今後,PlayOnlineの今後など興味深い話が聞けたので,子細漏らさずにお伝えしてしていこう。
4Gamer.net(以下,4G):
本日はお時間をとっていただき,ありがとうございます。よろしくお願いします。
田中弘道氏(以下,田中氏):
こちらこそよろしく。
Sage Sundi氏(以下,Sundi氏):
よろしくお願いします。
4G:
まず,FF XIの次の拡張ディスクについて聞かせてください。どのようなコンセプトで作っていますか?
田中氏:
ちょっと当たり前といえば当たり前ですが,プロマシアの呪縛をリリースしたときには,すでに次の拡張ディスクのことを考えていました。方向性やコンセプトは現段階ではお話できませんが,運営を続けていく限りは拡張し続けていきますよ。
4G:
プロマシアのミッションは難度が高めですが,そういう方向性は今後も続きますか?
田中氏:
FF11 RMTプロマシアは,ハイレベルプレイヤーだけでなくさまざまなレベルのプレイヤーが問題なく一緒に遊べるようにというのが本来のコンセプトです。そのためにレベル制限エリアなども多く用意しましたが、最初の調整が結構つらめだったのは担当チームも認識しています。既に難易度変更やショートカットの追加などでかなり遊びやすくなっているはずです。また、前回のバージョンアップで経験値テーブルを変えたので、今後は全体的に多少ハイレベルへシフトしやすくなるのではないでしょうか。そのときに何ができるかという、新しい遊び方を提案できるようにするのが今のチーム目標です。
4G:
ジラートもプロマシアもE3後あたりに発表されていたので,そろそろではないかと推測していたのですが……。
田中氏:
あぁ,そうですね。でも,今年はコンシューマ機のほうでいろいろ発表しましたし,次の拡張ディスクの発表はもう少し時間がかかると思います。
4G:
そうですか。ちょっと残念。
田中氏:
(インタビュールームにある液晶モニターを指差して)実はこれXbox 360版なんですよね。
4G:
おおっ,広い画面ですね。解像度は,どのくらいですか?
田中氏:
最高解像度は,1280×720ドットです。結構遠くまでさくさく表示させられるのが凄いですよ。
4G:
プレイステーション2版やWindows版とは画面から受ける印象が違いますね。もうほぼ完成した状態ですか?
田中氏:
一応,すべてのエリアが入っているのですが,まだこれからチェックしなければならない場所は多いですね。テストサーバーに接続して,パーティを組める程度まではきていて,最適化などの細かい調整をしている段階です。このXbox 360版は,Windows版をベースにしてますが,CPUがIntelからPowerPCになっているので,そのアーキテクチャの違いにより不具合がないかなどの検証もこれからという感じです。
4G:
チャットウィンドウの行数が多いですけど,フォントが小さいのでウィンドウの右の空きが気になります……。
田中氏:
これに関してはWindows版同様、手前のメニュー関係と背景のポリゴン表示はそれぞれ別々にいろいろな解像度からお好みで選べるようになると思います。
4G:
では,拡張ディスクではなく,FF XIに続く次のタイトルというのはなにか考えていますか?
田中氏:
今は,次世代機で何ができるのかというのを研究開発している段階で,Xbox 360のカンファレンスのときにお見せした技術実験プロジェクトの映像もその一部です。いろいろなことを試しながら何ができそうかというのを探し,将来の MMORPGではこうしていこうというのを決めているところで,まだ細かい部分は決まっていません。
4G:
FF XIとまったく違うゲームシステムになりそうですか?
田中氏:
FF XIと似たものになるか,それともまったく違うものになるかというのも含めて,検討しているところです。
4G:
発表できる段階になるのを楽しみにしています。
Xbox 360カンファレンスで公開された,実験映像のスクリーンショット。これらは「Xbox 360版FF XI」でも「次回作」でもないのだが,その圧倒的な表現力は,どこかで活用されるのを期待したい RMT