「テイルズウィーバー rmt」,13人目のキャラ「アナイス」がついに実装
ネクソンはサービス中のMMORPG「テイルズウィーバー」にて,大型アップデートを実施する。このアップデートの目玉となるのは,新たなプレイアブルキャラクター「アナイス」が実装されること。今回4Gamerでは,アナイスがどういったキャラクターなのかを実装に先駆けて確認してきたので,その特徴をお伝えしよう。
また記事の後半では,運営チームへのショートインタビューも掲載している。新サーバーの開設や既存サーバー統合の経緯などについても話を聞いてきたので,そちらも合わせてご一読を。
「アナイス」はテイルズウィーバー初の召喚職
アナイスは,テイルズウィーバーにおける通算13人目,かつEpisode 2の最後の章を飾るプレイアブルキャラクターだ。したがって今後展開されるアナイスのストーリーでは,これまで見えなかった彼女自身の秘密だけでなく,本タイトルの物語の重要な部分も,少しずつ明らかになっていく。アナイスが投入される2012年3月28日のタイミングではプロローグおよびChapter 0~1が,そして4月下旬にはChapter 2が実装される予定なので,本作のプレイヤーはぜひその内容を確認してほしい。
アナイスは,テイルズウィーバー初の召喚職となっており,「魔法人形」「破壊精霊」「守護精霊」という,3タイプの中から1つを選択して召喚できるのが特徴だ。いずれのタイプにも,それぞれ2~3種類の召喚対象が用意されているが,一度に呼び出せるのは1体のみ。状況に応じて,有効な人形や精霊を召喚して戦うのが,アナイスの戦闘スタイルの基本となる。
ちなみに,人形や精霊はペットとは違い,専用のスキルスロットを持っており,プレイヤーの任意でスキルを発動できる。つまりプレイヤーは,アナイス自身のスキルと,召喚した人形や精霊が持つスキルの両方をコントロールすることになるので,既存のキャラクターよりも操作しがいがあるように思える。
それぞれの召喚タイプの特徴を見ていこう。まず,魔法人形タイプは,天使をイメージした外見のクマのぬいぐるみ「ミカベア」と,悪魔をイメージした「ルシベア」を使い分けて戦うことになる。ミカベアは範囲攻撃が,ルシベアは単体攻撃が得意なので,通常フィールドではミカベア,ボス戦ではルシベア,といった感じになるだろうか。
また,魔法人形にはHPが存在し,どちらも近接攻撃を得意としているので,戦闘中に盾代わりにして,アナイスが遠方から自分のスキルで攻撃するといった戦い方もできる。ただし,もしも魔法人形が倒された場合には,敵がアナイス本人に向かってきてしまう。魔法人形の召喚には時間がかかるので,アナイスの回復スキルなどを駆使して,魔法人形の体力をしっかり管理するがポイントだ。
なお,魔法人形の強さは,アナイスの習得しているスキルのレベルに左右される。強さに応じて,魔法人形の外見は9段階に変化するので,その成長にも注目しよう。
一方,破壊精霊タイプでは,火,氷,雷の3種類の属性を持つ精霊を呼び出して戦う。各精霊のスキルは,遠距離からの範囲攻撃や状態異常攻撃が主体となっており,盾のようにも使える魔法人形タイプとは,また違った戦い方が要求される。
また,破壊精霊タイプにはHPの概念がないので,アナイスの身代わりに戦ってもらうようなこともできない。
破壊精霊が使えるスキルの中で特徴的なのは,一定時間特殊なフィールドを作り出し,そこに入ってきた相手に持続的なダメージを与えるというもの。このスキルを使うと精霊は消滅してしまい,再度召喚しなければならなくなるが,アナイスが敵に囲まれたときなどに大きな効果を発揮するだろう。
そして守護精霊タイプは,光,土,風の3種類の属性を持つ精霊を呼び出して戦うスタイル。守護というだけあって,各精霊のスキルはパーティの能力を向上させるものが主体だ。破壊精霊と同じようにHPが存在せず,完全にアナイスやパーティメンバーの支援に徹する精霊となっている。
ただし,守護精霊タイプを選択しても,火力不足に悩ませされるというわけではなさそうだ。というのも,守護精霊召喚時は,精霊ではなくアナイスが「シナジー」という強力なスキルを使えるのである。このスキルの効果は,使用後数秒間だけ,攻撃した対象に追加ダメージを与えるというものなのだが,これを使うと,単体の敵には高い火力を発揮できる。単体攻撃に特化したい場合は,守護精霊を選んでみるのもアリかもしれない。
以上が,アナイスの主だった特徴となるが,彼女のキャラクターデザインにもぜひ注目してほしい。アナイスのドット絵は,可愛らしさを表現するために一度作り直されているほどで,実際に動いているのを見ると,正直,モーションの作り込みが明らかにほかのキャラクターよりも凝っている。アナイスは,発表から実装までかなり長い期間を要したキャラクターだが,今回のアップデートでは,アナイスにかける開発チームの情熱をうかがい知れるのではないだろうか。
なお,アナイスの2次スキルは2012年6月までに実装される予定だが,それに合わせて,ほかのキャラクターのバランス調整も実施されるとのこと。詳細は追って発表されるとのことで,アナイスのファンはもちろん,それ以外のキャラクターを使っている人も期待できそうだ。
アナイスの実装に合わせて新サーバー「モエン」が開設
運営チームにサーバー統合の意図などを聞いた
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。今回のアップデートでは,いよいよアナイスが実装となりますね。
柳本 隆氏(以下,柳本氏):
ええ,アナイスは,2006年に発表されてから,実に6年の時を経ての実装です。ようやくの実装となるので,プレイヤーの間では,アナイスが“テイルズウィーバー最後のキャラ”ではないかという声もあるのですが,そんなことはありません。あくまでも“Episode 2の最後のキャラ”ですので,そこは誤解しないでいただけると助かります。
4Gamer:
今回のアップデートでは,アナイス以外にも大きなものはあるのでしょうか。
柳本氏:
せっかくプレイヤーの皆さんに待ち望まれていたアナイスが実装されますし,皆が横並びで一斉にスタートできるよう,新サーバー「モエン」を開設します。ぜひ,サーバー文化やコミュニティをゼロから作っていく楽しさを味わってください。
4Gamer:
新サーバーでは,オープンマーケットの利用はどうなるのでしょう。ほかのサーバーの資産を持って,移住してくる人も多いのではないかと思うのですが。
柳本氏:
モエンでは,オープンマーケットを利用できない仕様にします。これは,今のところ永続的に適用する予定なので,完全にイチから始まるサーバーということになります。
4Gamer:
モエンだけは完全に独立したサーバーになるんですね。
柳本氏:
やはりMMORPGには,スタート時ならではの楽しさというものがありますし,少し特殊な立ち位置のサーバーにしようかと。
またサーバー関連では,少し先の話になりますが,5月下旬,もしくは6月上旬あたりに,既存サーバーの統合を行います。
4Gamer:
統合ですか。テイルズウィーバーはけっこうな数のサーバーが用意されていたと思いますが,統合でいくつぐらいになるのでしょう。
柳本氏:
現在は17サーバーで,それにモエンが追加されることになりますが,統合後は全7サーバーとなります。統合の目的は,サーバー間の人数差を調整し,より快適なプレイ環境を提供することです。現在の17のサーバーでは,アクティブプレイヤーの数がかなり偏っており,ティアに集中している状態になっていまして……。
4Gamer:
確かに,グラフで見るとティアが圧倒的ですね……。ティアが人気になっている理由は何でしょう?
柳本氏:
テイルズウィーバーには2009年頃から,パーティ向けのコンテンツが増えています。そのため,アクティブプレイヤーが多いサーバーに人が移ってしまったのです。テイルズウィーバーは,キャラクター育成にそれほど時間がかからず,さらにオープンマーケットを利用したサーバー間資産移動も容易なので,それが人数の偏りに拍車をかけてしまったようです。
4Gamer:
今回統合するということは,ティア以外のサーバーは,ゲームプレイに支障が出るほどプレイヤー数が減少してしまった,ということになるのでしょうか。
柳本氏:
いえ,そこまでアクティブプレイヤーの数が少ないということではありません。むしろ,運営チームとしては,今のペースでティアに人が集まり続けると,サーバー機器のキャパシティを超えてしまい,ラグなどの問題が出てくる可能性を懸念していました。
また,これまで多数のサーバーを用意していた理由の一つに,テイルズウィーバーがチャンネル制を採用しておらず,人が集中すると狩り場が枯渇する状態だった,ということが挙げられます。ただ,インスタンス制の「クラブダンジョン」が実装され,ある程度狩り場のキャパシティ問題を緩和できたので,このタイミングでサーバー統合に踏み切ることになったのです。この統合で,全7サーバーが,現在のティアとほぼ同数のアクティブプレイヤー数になる見込みです。
4Gamer:
統合されるサーバーは,どういった基準で決定されたのでしょう。ティアが単独でそのまま1つのサーバーになっているのを見るに,人数ですか?
柳本氏:
最も大きな基準は人数ですね。それと,できるだけ要塞戦などのローカルルールが似ているサーバー同士が一緒になるよう,統合先を決定しています。
4Gamer:
サーバー文化も考慮したうえでの統合となるわけですね。ともあれ,プレイヤーからはサーバーの過疎化を危惧する声も上がっていましたが,それもサーバー統合で改善されそうですね。
もう1つ,プレイヤーからの声という意味で,BOTの問題について何か見解を示していただくわけにはいきませんか。
柳本氏:
BOTについては,現在,3つの対策を実施しています。そのうち2つは,明らかにすると対策されてしまうのでお話するわけにはいかないのですが,残り1つは,目視による確認となります。ただ,我々の行っている対策よりも,BOT生成のスピードが早く,駆除しきれていないのは事実です。
4Gamer:
BOTの問題はイタチごっこな面があるので,BOTの増殖数が勝ってしまう,というのは理解できるのですが,プレイヤーからすれば納得のできない部分でもあると思うのです。駆除しきれていない実情に対して,近いうちに手を打つ予定はないのでしょうか。
柳本氏:
もちろん我々も,決して,BOTを野放しにしているわけではありません。近いうちには,まずサーバー統合によって一定の成果を挙げられるのではないかと思います。サーバーを統合すると,監視を行うべき狩り場の数が減少するので,そのぶん効率的に目視によるBOTの取り締まりを行えるようになりますから。もしかすると,これまでと比べてBOTの取り締まりが強化されたように実感していただけるかもしれません。
さらに現在,一時期実装していた自動操作判定機能に,改善を加えた新しいシステムを開発中です。そのほか,ネクソンがサービスしているほかのタイトルで効果のあった対策を,テイルズウィーバーに導入するといったことも検討しています。
4Gamer:
複数の対策が動いているところなのですね。せっかくの新サーバー実装となりますし,その効果に期待しています。
それでは最後に,テイルズウィーバーのプレイヤーに向けてメッセージをお願いします。
柳本氏:
アナイスは,発表当時から期待されているキャラクターですが,今回,ようやく実装できます。これまでとは異なる操作感がもたらす,新たなプレイフィールをぜひ楽しんでください。
繰り返しになりますが,アナイスが実装されたあともテイルズウィーバーは続きます。2012年6~7月には,開発チームを招いたオフラインイベントを開催して,また何か新情報を発表できるかと思いますので,ぜひ期待してください。
4Gamer:
ありがとうございました。