武将風雲録
『信長の野望?武将風雲録』(のぶながのやぼう?ぶしょうふううんろく)は、1990年に光栄(現?コーエー)からPC-98用に発売された歴史シミュレーションゲーム?信長の野望シリーズの第4作である。「風雲録」とも略される。「武将風雲禄」は誤り。BGMの作曲、編曲は菅野よう子が担当している。本作では「文化と技術」がテーマとなっており、史実で織田信長が戦略的に利用していた茶の湯や鉄砲?鉄甲船に関する要素が強調されている。なおシリーズで初めてマウスに対応した。
その後家庭用ゲーム機や数多くのパソコン、携帯電話にも移植された。特に8ビット機パソコン向けとしてはシリーズ最終作となった。またサブタイトルは付いていないがゲームボーイアドバンス(GBA)用ソフト『信長の野望』およびニンテンドーDS用ソフト『信長の野望DS2』はいずれも内容的には本作のリメイクである。本項ではこの2作についても相違点も含め述べる。
なおWindows版については、「コーエー25周年記念パック Vol.7」に収録のものは、「コーエー定番シリーズ」版などのそれとは異なる。前者はPC-98版をエミュレータ上で動かしているものであるのに対し、後者はWindows向けにリメイク版で発売されたものである。Win版定番シリーズについては2005年9月29日に『信長の野望?烈風伝』とのツインキャンペーン版も発売されている(ただし定番シリーズのため『烈風伝』は無印である)。
概要
機種により違いはあるが、最大8人までの対戦プレイが可能になっている。日本全国全ての国を領有下に収め、全国統一を目的とする。次作『覇王伝』や『将星録』以降で可能な同盟統一はできない。
前作の『戦国群雄伝』との比較では、前作に存在しなかった九州?東北が加わった。歴史上の事件を再現するなどのイベント種類も増えた。また音楽面でも織田?武田?上杉その他一部の大名に専用テーマが用意されるなど前作以上に充実している。武将の顔グラフィックについては前作同様PC-88版とPC-98版では異なっている。
シリーズ初期の作品ということもあり、本作には次のように歴史的におかしい部分も存在する。後期の作品ほど歴史的史実を追求したわけではなく、あくまでゲーム内の仮想の設定が多かった。
- 合戦中に本陣に居座る鉄砲隊や海戦における鉄甲船の異常な強さ
- 上杉謙信の合戦における異常な強さ
- 竹中半兵衛の能力が戦闘力重視の能力配分であるアンバランス
- 人口という概念がないことから徴兵が無制限に可能(最大999に達しない限り)
- 戦争に勝利すれば一国がまるまる手に入る
- 仏に仕えるはずの本願寺光佐のもとにキリスト教宣教師が来訪する(ただし布教を認めても、必ず失敗するようになっている。また、本願寺氏が大名として存在していると、他大名でも一向一揆が起こる可能性のある国での布教は必ず失敗し、本願寺氏との友好度が下がる)
- CPUの武田信玄などがゲームスタートから10年足らずで鉄砲隊をフル装備にする
- 東北地方は「陸奥」「出羽」「陸前」でまとめられていて東北の大名分布が十分表現されていない。また陸前は現在の福島県に相当する地域となっている
- 一部武将の生年が間違っている
またタイトルが変更されたものも含めれば多数のハードに移植されたが、初期のものにあった、「オープニングの大名紹介」、「大名によっては特殊なエンディングになる」など、後期のものでは削られている要素もある。
内政面
本作では1年を12ヶ月に分け、ひと月ごとにターンが進む。武将と兵士には、税収月(1月は金、7月は米)に俸禄を支払う。武将や兵士を雇い過ぎると赤字になり、支払い切れなかった分の兵士は逃亡し、武将の忠誠度は下がる。
内政はコマンドで各種パラメータを伸ばす方式となっている。忠誠度が100ではない家臣が「ここはぜ